離婚(親権)に関するQ&A
法律相談や依頼の際に,参考にしていただけたら,と思います。
▽目次▽
親権について
1 親権って何?
2 親権の決め方
3 親権を決める要素・決めない要素
4 弁護士を介入させるメリット(宮崎県の事情)
▽目次▽
親権について
1 親権って何?
2 親権の決め方
3 親権を決める要素・決めない要素
4 弁護士を介入させるメリット(宮崎県の事情)
1親権とは何か
親権とは,未成年の子を監護・教育し,財産を管理する権利(義務)のことを指します。
日本の場合,離婚するときは,親権を父母どちらか一方に決める必要があります。
親権が決まらない間は,離婚ができません。
2親権の決め方
親権の決め方は次のとおりです。
(1)当事者同士で決定する
親権は,裁判をせずとも,話し合いで決定できます。
離婚届に記載欄がありますので,そちらに記載してください。
(2)家庭裁判所の調停で決定する
当事者同士での話し合いが出来ないという場合には,家庭裁判所を使う方法があります。
調停とは,調停委員を介在させての父母両当事者の話し合いです。
父母両当事者が直接対決することなく,あくまで調停委員を通じて話し合う場です。
調停は,概ね一月に1回(平日)開催されます。時間は数時間~半日程度かかることが多いです。
(3)離婚訴訟で決定する
3親権を決める要素・決めない要素
親権は,「父母どちらに親権を委ねたほうがより子のためになるか」という視点から決定されると言われています。
そして,その要素は以下の要素です。
(1)幼児児童における母親優先の原則
(2)継続性の原則 (別居後継続的な監護をしていて,問題がないようならば親権はそのままにしよう)
(3)兄弟不分離の原則
(4)監護体制(祖父母の協力や,家の広さ・経済的状況など)
(5)(主に中学生以上の場合の)子の意思
等など
ですから,母と幼い子が父と別居している場合,よほどのことがない限り,父は親権を取れません。(宮崎県ではこのパターンが多いように思います。)
考慮にならない要素の代表例は,不貞です。
「不貞をする人が親権を持つのは子のためにならない」という主張をしても,現時点で裁判所は耳を傾けない可能性が高いです。
ところで,平成28年3月29日千葉家庭裁判所松戸市部(平成24年(家ホ)第19号)で,いわゆるフレンドリーペアレントルールが採用されたと言われる事例が出ました。
フレンドリーペアレントルールとは「夫婦の離婚は,子にとっては関係がなく,子にとってはどちらも大切な親である。そうであれば,(1)別居親とより面会交流を認容する親や,(2)別居親の存在を肯定的に伝える親や,(3)面会交流に子が消極的になった時にこれを促すことが出来る親に親権を与えよう」というものです。
千葉日報は,「5年以上別居状態の夫婦が長女(8)の親権を争った訴訟の判決で、千葉家裁松戸支部(庄司芳男裁判官)は30日までに、自分が親権を持った場合、離婚後も相手に認める長女との面会交流の日数について「年間100日間程度」を提案した夫を親権者と定め、妻に同居の長女を引き渡すよう命じた。妻は「月1回」を希望していた。夫の代理人弁護士によると、面会交流に寛容な点を重視し、子どもと別居中の夫を親権者とした判断は異例という。判決によると、夫婦は関係がうまくいかなくなり、2010年5月に妻が夫に無断で長女と実家に戻った。夫と長女が会ったのは同年9月が最後だった。妻が離婚や親権を求めて提訴。「長女を慣れ親しんだ環境から引き離すべきではない」と主張したが、判決は「両親の愛情を受けて健全に成長するのを可能にするために、父親を親権者とするのが相当」と伝えました。
離婚時の親権決定にフレンドリーペアレントルールが用いられるかについて,日本ではかなり限定的に解釈されてきました。
本件では,子と5年以上会っていない父親に親権を与えたということはかなり珍い事案です。
判決を一読しましたが,事情のある判決であり,フレンドリーペアレントルールを一般化することは困難かも知れません。
4弁護士を介入させるメリット(宮崎の事情)
宮崎県の場合,地域のつながりが密です。
「隣同士が顔見知りである」「夫婦の両親同士が仲がいい」等,宮崎県ならではの事情が多くあります。
ですから,親権のみが決まっていない状態で,かつ,当事者間でまもなく親権が決定出来そうであれば,あえて弁護士に「依頼をする」メリットは少ないかもしれません。
しかし,次のような場合には弁護士に「依頼するメリット」が有ります。
・当事者間での話し合いが全くできない時
・親権などが絡んで、離婚訴訟に発展しそうなとき
・配偶者が暴力をふるいそうなとき
・相手が決まりを守ってくれそうにないことがわかっているとき
・離婚問題で,精神的に疲れ果ててしまったとき 等など
また,弁護士の介入を依頼しなくとも,弁護士に「相談」することで得られるものもあります。
弁護士は,法的に間違いのない書面の作成・手続の選択・遂行を行うことが出来ますので,のちのトラブルを未然に防ぐことができます。
特に宮崎県の当事務所では,親権の問題の場合,相談でなんとかなりそうであれば,相談の場で丁寧なアドバイスや作成文書のチェックなどを心がけています。
いずれにしても,宮崎県で離婚や親権でお困りであれば,宮崎県の離婚問題を広く取り扱っている当事務所に一度相談されてみてください。。